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Japan Rook Meetup#2でLTをしてきました

はじめに

2020年3月27日に開催されたJapan Rook Meetup #2でLTで登壇し、External Clusterの利用について10分ほどお話しさせていただきました。

rook.connpass.com

今回の発表は初めての社外向け、初めてのオンラインでの発表という形式となり、上手くできるか不安しかなかったのですが、結果的にはとても楽しい時間を過ごすことができました。

今回は初めてのLT、そして初めてのオンライン発表を経験させていただけたので、その経緯と感想を簡単に残しておこうと思います。

経緯

Japan Rook Meetupとは

Japan Rook Meetupは、KubernetesのストレージオーケストレーターであるRookをテーマにしたmeetupです。昨年12月に第1回が開催され、今回は2回目の開催になります。

rook.connpass.com

なぜ登壇しようと思ったか

昨年は個人的な目標として「とにかく情報を発信する」ことを掲げており、以前からずっと興味を持っていたKubernetes周りのプロダクトをいろいろと調べておりました。興味のあるプロジェクトについてとにかく「入門」をし、記事を書く、を繰り返していました。この時にRookのことも知り、記事も書きました。

今年はそこから目標を変え、「社外向け発表会で登壇する」ことを目指しておりました。ブログでの情報発信では得られない何かが見えるのではないかと漠然と思い、一度はお話ししてみたいと思っていました。

その時、タイミングよくJapan Rook Meetup #2の募集がかかりました。

登壇の募集が始まったのは確か昨年の12月末で、募集がかかってからすぐに登録をしたと思います。この時点ではまだ何をお話しするか何も決めていませんでした。

発表に向けての準備

ここからは、発表に向けて何を準備したかを書き残していきます。

LTに向けての準備

社外向けLTをやるうえでの課題は2つありました。

テーマを何にするか

社外向け発表では何をテーマとすればよいのか、これが最も大きな課題でした。

これまで様々な勉強会やイベントでの発表内容を見てきた印象では、基本的に 「自分たちのサービス基盤にKubernetesを利用していて、そこで得られたノウハウや失敗談などを話す」ことが多い ように感じていました。私は発表時点ではKubernetesを仕事で扱ったことはなく、Rookを扱ったことも当然ありませんでした。そのため、Rookをプロダクト環境で使う上でのノウハウなどはできません。

もう一つのパターンは 「自分で検証した内容を話し、その中でのノウハウを話す」というものでした。社内や家にある検証環境上で色々と試した結果を発表し、そこで得られた経験や知識を共有するというものでした。私は検証環境で触ることしかできなかったため、こちらの方法を採用しました。

また、発表時のターゲットは明確に絞ったほうが良いと思い、今回は「Rook-Ceph External Clusterという機能があることを知らない人、もしくは知っているけど利用したことのない人」をターゲットとし、こんな機能があること、こうやって利用するということが伝わることを目標にしました。

発表時のスライドや話す速度はどの程度か

こちらはテーマを設定後に出てきた課題です。LTの発表時間は5~10分程度になることが多いと思います。大学にいたころや社内勉強会での発表自体はしたことがあるので、スライド1枚当たり1分程度として、大体5~10枚程度用意すればよいかと考えました。

ただ、それだけの短い時間で伝わるようなスライド構成にしないとダメなんじゃないか、話すスピードはどの程度が良いのか、などの疑問も出てきました。

こちらは準備しながら少しずつ方針を固めましたが、おおむね以下の3つに集約されました。

  • 文字数は減らす:スライドに文字数が多すぎると、読み切る前に次のスライドに行ってしまうと思い、文字数はできる限り減らしました。どうしても文字数が多くなってしまう場合は、読んでほしいところは太字にして、そこだけ読んでもらうようにしました。
  • 図表を入れる:図表は文字より情報が多く入れられる、文字だけだと間違いなく聞き手が飽きると思い、図表を入れました。実際は、文章で書いた内容を後から補足するために図を加えました。
  • 発表内容は絞る:発表内容が多すぎたり横道にそれたりしすぎると、聞き手の頭が混乱する可能性が高いと思い、余計な部分は削りました。

オンライン発表に向けての準備

発表登録当初から社会情勢などに大きな変化があり、当初は1か所に発表者と参加者が集まって発表するスタイルでしたが、そこからオンラインで発表する形式に切り替わりました。それに伴い、オンライン発表に向けての疑問が出てきました。

オンラインが正常に接続できるか

まず気になったのは、ちゃんと接続できるか、という部分でした。これまでオンラインでの発表は全く経験がなかったので、こんなごく初歩のことも心配になってしまいました。

こちらは事前に運営の皆様・発表者の皆様と打ち合わせをしていただき、その際はオンラインの接続確認も兼ねていました。この時点で問題なく接続できたため、だいぶ安心することができました。

発表中の雰囲気はどんな感じになるのか

次に、発表中の雰囲気はどんな感じになるかが気になりました。オンラインでの会話自体にまだ慣れていないため、どこか殺伐としたものになってしまうのではないかと心配になりました。

今は別の勉強会やmeetupの過去のオンライン発表の様子が動画を検索することで見つけられますが、発表者側の雰囲気を感じ取ることはさすがにできないため、これは発表当日までどうなるかわかりませんでした。

どのツールを使うのか

オンラインでの発表の場合、たくさんのツールからどれを選択するのかも気になりました。

今回はZoomを利用して発表が行われました。Zoomはこれまで使ったことがなかったのですが、少し調べると導入方法や使い方がわかり、実際に使った際も特につまるところはなく利用できました。

発表はどのように進行するのか

当日の発表は、どのように進行するのかも気になりました。これは事前の打ち合わせで共有され、おおむね以下のような流れで進行しました。

  • 司会の方が画面を表示するところからスタート
  • 発表者に呼びかけ、発表者が画面を切り替える
  • 切り替わったのち、発表を開始
  • 発表中、運営の方はtwitterに流れる質問事項を拾い、Zoomチャットに流す
  • 発表終了後、司会者が質問事項をピックして発表者に質問する
  • 質疑応答終了後、司会者は次の発表者に呼びかけ、画面を切り替えてもらう

またZoomでは会議に参加した人は、他の参加者から画面を「奪う」ことができるので、発表時に表示される画面は発表者・司会者の手で切り替えられます。そのため、画面の切り替えはスムーズに行うことができました。

この辺りの詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

blog.cybozu.io

発表練習と発表時に利用したもの

発表資料・オンライン接続の準備に加え、発表に向けて練習をする必要がありました。また、発表時のサポートとして、いくつか利用したものがあります。

発表者が自分の発表時に利用できるものは、オンラインとオフラインでいろいろと違う部分があると思います。その一つは「複数の端末・ディスプレイを見ながら発表できる」という点でした。

今回は発表用の端末に加え、以下の画面を表示するために別の端末も同時に開いていました。

  • 発表用のカンペ
  • ストップウォッチ
  • youtubeの配信画面
  • twitter

発表用のカンペは、発表中に話す内容が頭から飛んでしまった時に備えて、ストップウォッチは時間内に発表を完了するために用意しました。

またYoutubetwitterは、発表中になにか問題があれば気付けるようにと思い、用意しておきました。実際は運営の皆様がそのあたりはしっかりチェックされており、何かあればZoomのチャットで教えていただけたのですが、自分でもそこまで準備しておくことで多少の余裕を持つことができました。

発表当日

ここからは発表時にできたこと・できなかったこと、そして感想を残しておきます。

できたこと

設定したテーマとターゲットについては、概ね想定通り達成できたかと感じました。少し意外だったのは「External Clusterを知っている人は想定以上に多く、実際に触ってみた人は少ないと感じた」ことでした。一つ目については、Japan Rook Meetupという範囲を絞った集まりでは、Rookについてある程度知っている人・調べている人が多く参加すること、2つ目については、そもそもこの機能自体Rook-Cephのメイン機能ではなく、触ったことのある人が少なかった、などが理由かなと考えています。

発表資料は最終的に15枚程度になりましたが、タイトルなどを除けば10枚程度になり、ほぼ想定通りに準備できました。

また発表時は幸運にもトラブルなく(なかったはず。。。)、無事に発表を終えることができました。

できなかったこと

ストップウォッチを見ながら発表したものの、発表時間は10分30秒ほどになり、少しオーバーしてしまいました。話しているときにいくつか詰まってしまった部分もあり、スムーズに進めることができなかった部分がありました。これは資料作成が予定以上に時間がかかってしまい、発表前の発表練習が足りていなかったためだと思います。

ただ今回の発表内容は動画として残っているので、あとから見返すことで話に詰まった個所や時間のかかった個所がわかるため、この辺りも改善することができるのでは、と考えています。

感想

発表当日は食事ものどを通らないほど緊張しましたが、結果的にはとても楽しい時間を過ごすことができました。

まず発表者の皆様の発表内容はどれも面白く、気づけば私の番が回ってきてしまうほど聞き入っていました。これまで検証を通して触れてきたRook-Cephについて、知っていること・知らなかったことが頭の中に次々に流れ、整理されていく感覚は、とても不思議なものでした。その結果、これまで参加してきたどの勉強会と比べても一番ためになるものとなりました。やはり参加するだけと発表するのとは、得られるものがまったく違うものであることを体感できました。

また、運営の皆様は常に状況をチェックしており、何か不具合があればすぐに連絡していただける状態が整っていました。そのため、「何かうまくいかなくても大丈夫だ」と思え、それが緊張を取り除くことのできた要因でもあったと思います。

また、オンラインでの発表ということもあり、周りの反応がまったく見えない中での発表となり(TLを追っている余裕はありませんでした)、「周りの反応はわからないが、ひとまずは発表を終わらせよう」と思え、これが逆に発表そのものに集中できる環境となったのも、振り返ってみるとよかったのかもしれません。今回は10分という短時間だったのでそう思えたのかもしれませんし、これが30分になると全く違ったものになるかもしれません。

最後に

今回は初めて社外勉強会にて発表させていただいた際の感想を書き残しました。今後も発表の機会は作っていきたいと考えているので、今回得られた感想や知見を次回以降の発表に生かしていこうと思います。

また、社外勉強会(オンライン・オフライン含む)で発表するのはハードルが高く、自分には難しいと思っている方はたくさんいるかと思います。しかし、登壇しなければ気付かないことや得られない感覚というものがあること、そして何より興味ある技術分野に関する知識を多く身に着けられる機会であることがわかりました。もしも機会があれば、皆さんどんどん発表していくべきだと、今なら言えます。

また、オンラインは周りの参加者の反応が見えないので、不安になる方も多くいると思いますが、見えないことでむしろ発表に集中できる場合もあることを知ることができました。周りに見られるのが苦手な方は、オンラインでの発表を考えてみるのもありだと思います。

最後になりますが、今回発表の機会を与えてくださった運営の皆様、そして素晴らしい発表をしてくださった発表者の皆様に、この場を借りてお礼申し上げたいと思います。